作業と水質

残留塩素の基準と測定の頻度:給水栓・清掃後・法定検査

貯水槽の残留塩素の基準は場面で違います。特定建築物の給水栓(0.1以上・7日以内ごと)、清掃の水張り後(0.2以上)、簡易専用水道の法定検査(検出されること)、東京都の指導(週1回・毎日)を条文と告示で確かめて表にしました。

最終確認日

この記事の要点

  • 特定建築物の給水栓は遊離残留塩素0.1以上を保つ
  • 清掃の水張り後は遊離0.2以上・結合1.5以上
  • 簡易専用水道の法定検査では「検出されること」

残留塩素の基準は場面ごとに違う

残留塩素の数字は、建物の日常の給水、清掃の水張り後、簡易専用水道の法定検査で、それぞれ別の条文・告示に書かれています。どの場面の数字かを取り違えないことが大切です。

場面ごとの残留塩素の基準と頻度
場面基準頻度根拠
特定建築物の給水栓遊離残留塩素 百万分の0.1以上(結合残留塩素は0.4以上)7日以内ごとに1回検査建築物衛生法施行規則4条1項1号・7号
同・病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合遊離残留塩素 百万分の0.2以上(結合残留塩素は1.5以上)同上同4条1項1号ただし書
貯水槽清掃の水張り後遊離残留塩素 百万分の0.2以上(結合残留塩素は1.5以上)清掃のたび告示第119号第二
簡易専用水道の法定検査検出されること毎年1回以上告示第262号別表第二
東京都の指導(簡易専用水道・特定小規模貯水槽水道)—週1回、給水栓の末端で測る東京都の回答集・資料

特定建築物の日常の検査

建築物衛生法施行規則4条1項1号は、給水栓の水の遊離残留塩素の含有率を百万分の0.1以上に保つよう定めています。同7号は、遊離残留塩素の検査を7日以内ごとに1回、定期に行うとしています。

東京都健康安全研究センターが立入検査で見る点としては、末端の給水栓での残留塩素等の検査を飲料水は毎日、始業前(10時頃まで)に行っているか、残留塩素濃度を数値で記入しているかが挙げられています。

清掃の水張り後の検査

告示第119号は、貯水槽の水張り終了後、給水栓と貯水槽内の水について、残留塩素・色度・濁度・臭気・味を検査し、基準を満たすことを確かめるよう定めています。残留塩素の基準は、遊離残留塩素で百万分の0.2以上、結合残留塩素で百万分の1.5以上です。

消毒のときの50〜100mg/Lは槽内を消毒する塩素剤の濃度で、水張り後の残留塩素の基準とは別の数字です。

この0.2という数字は、日常の給水栓の基準(0.1)とは別のものです。清掃後の基準を満たさない場合は原因を調べ、必要な措置を講じます。

簡易専用水道の法定検査

告示第262号の別表第二は、給水栓の水質の検査事項の一つに残留塩素を挙げ、判定基準を「検出されること」としています。水道水の長い滞留、水槽や管の汚れ、汚水の混入などで残留塩素が消費されることに着目した検査です。

検出されない場合は原因の究明に努め、必要に応じて他の給水栓の水、水槽の水、給水される直前の水も検査します。

記録の残し方

東京都健康安全研究センターの立入の視点では、残留塩素濃度を数値で記入しているかが見られます。「良」「適」だけでなく、測った値をそのまま残します。

東京都健康安全研究センターは、特定建築物に備える帳簿書類に、水質検査結果書と残留塩素の測定記録を挙げています。帳簿書類は5年間保存します(建築物衛生法施行規則20条2項)。

測るときの手順

  1. 停滞水を流す

    給水管内に停滞していた水が新しい水に入れ替わるまで放流してから採水する(告示第262号の備考)。

  2. 測定器で測る

    残留塩素測定器で測り、値をそのまま記録する。

  3. 基準と照らす

    どの場面の基準かを確かめて判定する。

  4. 異常なら原因を調べる

    検出されない・急に下がったときは原因を調べ、保健所に相談する。

東京都水道局は、貯水槽の容量が使用水量に比べて著しく大きいと、滞留時間が長くなり残留塩素濃度が下がるとして、容量(水位)を適正に保つよう案内しています。

よくある質問

清掃後の遊離残留塩素が百万分の0.15なら基準内か。

告示第119号の水張り後の基準は遊離残留塩素で百万分の0.2以上です。結合残留塩素で1.5以上でなければ基準を満たしません。

残留塩素の測定器は登録に必要か。

東京都の登録基準は、色度計・濁度計・残留塩素測定器を、営業所ごとに所有すべき機械器具に挙げています。

すいそう台帳でできること

すいそう台帳の現場の画面では、水張り後の遊離残留塩素や濁度などの値を入れると、基準の範囲かをその場で示します。入れた値は、監督者が確定する作業報告書(PDF)に載ります。

出典

最終確認日

個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。