法令と頻度

貯水槽清掃の頻度と法律:水道法・建築物衛生法・都条例

貯水槽の清掃は「毎年1回以上」か「1年以内ごとに1回」か。簡易専用水道(水道法)、特定建築物(建築物衛生法)、東京都の特定小規模貯水槽水道(都条例)の区分ごとに、清掃の頻度と根拠の条文を表で整理します。

最終確認日

この記事の要点

  • 受水槽の有効容量の合計が10㎥を超えると簡易専用水道
  • 特定建築物は貯水槽の清掃を1年以内ごとに1回
  • 都条例は特定小規模貯水槽水道に年1回以上の清掃を求める

区分で根拠の法令が変わる

貯水槽の清掃の頻度は、建物と水槽がどの区分に当たるかで、根拠の法令と条文の書き方が変わります。先に区分を確かめ、次に頻度を確かめる順番にすると迷いません。

区分ごとの清掃の頻度
区分当たる条件清掃の頻度根拠
簡易専用水道水道から受ける水だけを水源とし、受水のための水槽の有効容量の合計が10㎥を超える毎年1回以上、定期に水道法34条の2第1項・施行規則55条1号
特定建築物店舗・事務所などの用途の延べ面積が3,000㎡以上(専ら学校等は8,000㎡以上)1年以内ごとに1回、定期に建築物衛生法施行規則4条1項7号
東京都の特定小規模貯水槽水道10㎥以下のうち、学校・病院等に給水するもの、または水槽の有効容量の合計が5㎥を超えるもの1年に1回以上、定期的に都条例7条1項1号
上のどれにも当たらない10㎥以下—水道法の義務はない東京都水道局は簡易専用水道と同様の管理に努めるよう案内

簡易専用水道(水道法)

水道法3条7項は、水道事業の水道から供給を受ける水だけを水源とする水道を簡易専用水道とし、政令で定める規模以下のものを除いています。水道法施行令2条は、その基準を水槽の有効容量の合計が10立方メートルと定めています。

設置者は施行規則55条の管理基準に従って管理します。1号が「水槽の掃除を毎年一回以上定期に行うこと」です。清掃とは別に、登録を受けた検査機関などの検査を毎年1回以上受けます(同56条)。

特定建築物(建築物衛生法)

建築物衛生法施行令1条は、興行場・百貨店・店舗・事務所・旅館などの用途の延べ面積が3,000㎡以上の建築物と、専ら学校等に使う延べ面積8,000㎡以上の建築物を特定建築物としています。

施行規則4条1項7号は、遊離残留塩素の検査と貯水槽の清掃を「それぞれ七日以内、一年以内ごとに一回、定期に」行うと定めています。前回の清掃から1年を超えないように次の清掃を組むことになります。

東京都の小規模貯水槽水道(都条例)

東京都の条例は、10㎥以下の貯水槽水道のうち特定小規模貯水槽水道の設置者に、水槽の清掃を1年に1回以上定期的に行うこと、水道施設の管理の状況を1年に1回以上定期的に検査することを求めています(7条1項)。

都の条例の対象は都内の市町村(八王子市・町田市を除く)です。23区・八王子市・町田市の建物は、各区・市の保健所に扱いを確かめてください。

区分の確かめ方

  1. 水源を確かめる

    水道の水だけか、井戸水などを混ぜているか。混ぜていれば簡易専用水道ではない。

  2. 受水槽の有効容量を足す

    受水のための水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるかを見る。

  3. 特定建築物かを確かめる

    用途と延べ面積から、建築物衛生法の特定建築物に当たるかを見る。

  4. 都内の市町村なら条例を見る

    10㎥以下でも、5㎥を超えるか学校・病院等に給水していれば特定小規模貯水槽水道。

東京都の保健所の回答集は、簡易専用水道について、水槽周囲やマンホールなどの点検を毎月1回、水の色・濁り・臭い・味の確認を毎日、残留塩素の測定を週1回行うよう都が指導していると示しています。

特定建築物にある10㎥を超える水槽は、建築物衛生法と水道法の両方がかかります。告示第262号にも、建築物衛生法の適用がある簡易専用水道の検査の定めがあります。

よくある質問

受水槽が2基ある場合はどう判断するか。

水道法施行令2条は「水槽の有効容量の合計」で定めています。2基の有効容量を足して10㎥を超えれば簡易専用水道です。

ちょうど10㎥なら簡易専用水道か。

水道法3条7項ただし書は政令の基準「以下」のものを除くため、合計がちょうど10㎥なら簡易専用水道に当たりません。

清掃業者に清掃を頼めば法定検査は要らないか。

要ります。東京都の保健所の回答集は、清掃業者への依頼で登録検査機関の検査に代えることはできないとしています。

すいそう台帳でできること

すいそう台帳は、建物と水槽を登録すると、簡易専用水道・小規模貯水槽水道・特定建築物の区分ごとに、前回の清掃日から次の期限を建物ごとに計算します。期限が近い建物は一覧で確かめられ、管理会社への案内まで同じ台帳で扱えます。

出典

最終確認日

個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。