この記事の要点
- 受水槽を清掃してから高置水槽・圧力水槽等を清掃する
- 塩素剤で2回以上消毒、東京都は50〜100mg/L・30分以上
- 水張り後は残留塩素・色度・濁度・臭気・味を検査
作業の基準はどこに書かれているか
特定建築物の貯水槽の清掃の方法は、告示第119号の第二に書かれています。建築物飲料水貯水槽清掃業の登録でも、東京都は作業方法が告示第117号の項目にすべて合っていることを求めており、作成例に同じ内容の工程が示されています。
作業の流れ
受水槽から始める
受水槽の清掃を行った後、高置水槽、圧力水槽等の清掃を行う。
沈でん物と付着物を除く
沈でん物質・浮遊物質と壁面等の付着物を洗浄等で除く。洗浄に使った水は完全に排除し、周辺も清掃する。
塩素剤で消毒する
塩素剤を用いて2回以上消毒する。終了後は塩素剤を完全に排除し、槽内に立ち入らない。
水張り後に検査する
給水栓と貯水槽内の水について5項目を検査し、基準を満たすことを確かめる。
汚泥等を処理する
清掃で出た汚泥等の廃棄物は、廃棄物処理法・下水道法等に基づき適切に処理する。
消毒の濃度と時間
東京都健康安全研究センターの作成例は、塩素消毒について、最終濃度50〜100mg/Lの次亜塩素酸ナトリウムを用い、30分以上消毒する作業を2回行う必要があるとしています。
同じ作成例は、使う塩素剤の商品名、原液の濃度、希釈倍率、最終的な使用濃度を作業実施方法に書くよう求めています。横浜市の登録基準も、塩素剤を主に用い、2回以上・各30分以上、50〜100mg/Lで消毒するとしています。
水張り後の検査の基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 残留塩素の含有率 | 遊離残留塩素は百万分の0.2以上、結合残留塩素は百万分の1.5以上 |
| 色度 | 5度以下 |
| 濁度 | 2度以下 |
| 臭気 | 異常でないこと |
| 味 | 異常でないこと |
基準を満たしていない場合は、その原因を調べ、必要な措置を講じます。補修で塗料や充てん剤を使ったときは、十分乾かしてから水洗いと消毒を行い、水張り後に同じ検査をします(告示第119号第二の一の2)。
作業の前後に決まっていること
- 横浜市の登録基準:換気ファンで換気し、清掃の前後に写真を撮る
- 横浜市の登録基準:従事者の検便を6か月ごとに行い、当日に下痢などの症状がある人は作業しない
- 東京都の作成例:作業前に作業衣と使う器具を消毒し、検便は概ね6か月ごとに監督者と従事者全員が受ける
- 告示第117号(東京都の作成例の引用):清掃に使う機械器具は定期に点検し、必要に応じて整備・修理する
清掃と合わせて見ておく点検
告示第119号第二の一の2は、貯水槽等の点検と補修についても定めています。清掃の現場で見た結果を点検表に残すと、建物の側の管理の記録になります。
- 貯水槽の内面の損傷・劣化の状況
- 水漏れ、外壁の損傷・さび・腐食の有無、マンホールの密閉状態
- 水抜管・オーバーフロー管の排水口空間と、オーバーフロー管・通気管の防虫網
- ボールタップ、フロートスイッチまたは電極式制御装置、満減水警報装置、フート弁、塩素滅菌器の機能
- 給水ポンプの揚水量と作動状況
業務を他社に委託するとき
東京都の作成例が引く告示第117号は、清掃作業を原則として自ら行うとしています。委託する場合は、あらかじめ受託者の氏名等を建築物維持管理権原者に通知し、受託者から実施状況の報告を受けるなどして、作業の方法が要件を満たしていることを常に把握します。
よくある質問
消毒は1回では足りないか。
告示第119号は塩素剤を用いて「二回以上」消毒すると定めています。1回では基準を満たしません。
消毒の塩素の濃度はどのくらいか。
東京都の作成例は、最終濃度50〜100mg/Lの次亜塩素酸ナトリウムで30分以上の消毒を2回行うとしています。横浜市の登録基準も50〜100mg/Lとしています。
高置水槽から先に清掃してよいか。
告示第119号は、受水槽の清掃を行った後に高置水槽、圧力水槽等の清掃を行うと定めています。
すいそう台帳でできること
すいそう台帳の現場の画面では、水槽ごとに写真、消毒の濃度・回数・時間、水張り後の値を入れられ、基準の範囲かをその場で示します。地下で電波が無くても入力でき、電波が戻ると自動で送ります。
出典
- 厚生労働省「空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」(平成15年厚生労働省告示第119号)
- 東京都健康安全研究センター「その他の要件(作業実施方法等)の作成例」(PDF)
- 東京都健康安全研究センター「建築物飲料水貯水槽清掃業登録基準」(PDF)
- 横浜市「建築物飲料水貯水槽清掃業」の登録のページ
最終確認日
個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。