法令と頻度

小規模貯水槽水道(10㎥以下)の管理:東京都条例の義務と報告

受水槽が10㎥以下の小規模貯水槽水道は水道法の簡易専用水道に当たりません。東京都の条例で清掃・点検が義務になる「特定小規模貯水槽水道」の範囲、設置者の義務、記録の5年保存、毎年の報告の10項目を整理します。

最終確認日

この記事の要点

  • 10㎥以下でも5㎥超または学校・病院等なら都条例の対象
  • 清掃と施設の検査を1年に1回以上、記録は5年保存
  • 保健所の依頼で点検結果を毎年報告する(条例12条)

10㎥以下は水道法の簡易専用水道ではない

水道法の簡易専用水道は、受水のための水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるものです。東京都水道局は、10㎥以下の貯水槽水道に法の義務はないものの、簡易専用水道と同様の管理を行うよう努めることとされていると案内しています。

東京都は、10㎥以下の貯水槽水道について「東京都小規模貯水槽水道等における安全で衛生的な飲料水の確保に関する条例」を定めています。

条例の対象は都内の市町村(八王子市・町田市を除く)です。23区・八王子市・町田市の建物は、各区・市の保健所に問い合わせるよう都が案内しています。

言葉の定義

条例2条の主な定義
言葉意味
小規模貯水槽水道水道の水だけを水源とし、受水のための水槽を持つ水道で、専用水道・簡易専用水道以外のもの。特定建築物に設置されたもの、専ら一戸の住宅に給水するものを除く
特定小規模貯水槽水道小規模貯水槽水道のうち、規則で定める施設に給水するもの、または水槽の有効容量の合計が5㎥を超えるもの
規則で定める施設学校(大学を除く)、病院・診療所・助産所、障害福祉サービスの施設、児童福祉施設、老人福祉施設など(規則別表第一)

特定小規模貯水槽水道の設置者の義務

  • 水槽の清掃を1年に1回以上、定期的に行う(7条1項1号)
  • 水道施設の管理の状況を1年に1回以上、定期的に検査する(同2号)
  • 給水栓の水の色・濁り・におい・味に異常があれば、原因の特定に必要な項目を検査する(同4号)
  • 水槽の清掃記録・水道施設の検査記録・水質検査の結果等の帳簿書類を作成の日から5年間保存する(7条2項)
  • 設置・変更・廃止から10日以内に届け出る。東京都給水条例による届出をした場合は不要(6条)

健康を害するおそれを知ったときは、直ちに給水を停止して関係者に周知し、速やかに知事に報告します(8条)。

毎年の報告と10の点検項目

都は条例7条と12条に基づき、設置者に毎年、施設の点検・管理状況の報告を求めています。返信用はがきのほか、FAXや電子申請などでも保健所に報告できます。報告では次の10項目の結果を記入します。

報告の点検項目
番号項目
1飲み水の異常(色・濁り・におい・味)
2設置場所(周辺の整理整頓)
3水槽本体の状態(破損・亀裂・漏水)
4水槽の開口部(汚染のおそれ)
5水槽上部の状態(ほこり・水たまり)
6マンホールの状態(防水密閉・施錠)
7防虫網の設置(オーバーフロー管・通気管)
8排水口空間の確保
9水槽内部の状態(さび・異物、吐水口空間)
10付帯設備の状態(ポンプ等の劣化・漏水)

井戸水を使う施設

条例は、水道以外の水(井戸水など)を水源の全部または一部とする「飲用井戸等」も対象にしています。特定飲用井戸等の設置者は、給水を始めるときと1年に1回以上、規則で定める項目の水質検査を行います(7条1項5号)。

都の資料は、その項目を一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物(全有機炭素の量)、pH値、味、臭気、色度、濁度としています。

都が通知で指導している管理

条例の義務のほかに、都は望ましい管理として、水槽等の点検を月に1回、水の色・濁り・におい・味を毎日、残留塩素を週1回給水栓の末端で確かめることを示しています。

よくある質問

5㎥を超えるかは1基ごとか合計か。

条例2条5号ロは「水槽の有効容量の合計が五立方メートルを超えるもの」と定めており、合計で判断します。

23区の建物はこの条例の対象か。

都の案内では、条例の対象は市町村(八王子市・町田市を除く)で、23区・八王子市・町田市に施設がある場合は各区・市の保健所に問い合わせるよう示されています。

貯水槽を廃止して直結給水にしたら報告は要るか。

都の資料は、貯水槽を廃止した場合は返信用はがき表面の連絡事項欄に廃止の旨を書いて返送するよう求めています。

すいそう台帳でできること

すいそう台帳は、小規模貯水槽水道の建物も、前回の清掃日から次の期限を建物ごとに計算します。案内・日程・作業報告書までを同じ台帳で扱い、報告書・記録・写真は作業日から保存期間(既定5年)のあいだ残ります。

出典

最終確認日

個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。