報告書と記録

貯水槽清掃の作業報告書の書き方:記載事項と保存

貯水槽清掃の作業報告書に入れる事項を、東京都健康安全研究センターの作成例と横浜市の登録基準から整理します。工程表、点検結果、消毒方法、簡易水質検査の5項目と基準値、写真、検便の記録、部数と保存まで。

最終確認日

この記事の要点

  • 全国共通の法定様式は、確かめた法令・告示には無い
  • 工程表・点検表・消毒方法・水質の5項目・前後の写真
  • 横浜市は2部作成し1部を5年間保存するよう定める

様式は法令で決まっているか

今回確かめた水道法・建築物衛生法の条文と、告示第119号・第262号には、清掃業者が作る作業報告書の様式の定めはありません。

東京都健康安全研究センターは、登録の申請に添える「作業実施方法等」の作成例で、作業報告の作成手順と報告書の記載内容を営業所ごとに具体的に書くよう求めています。横浜市も、登録の申請の書類に清掃作業報告書の様式を挙げています。

報告書に入れる事項

東京都の作成例には、清掃作業の終了後に次の内容を含む報告書を作り、速やかに依頼者に出し、控えを作って保存する例が示されています。

記載事項(東京都の作成例より)
事項書くこと
清掃作業工程表受水槽から高置水槽までの作業の工程
写真清掃前・清掃後の、当該設備等の現状
監督者名登録された貯水槽清掃作業監督者
消毒方法使った塩素剤と濃度、回数、時間
簡易水質検査結果残留塩素の含有率・色度・濁度・臭気・味
設備等点検表受水槽・高置水槽・ポンプ等の点検結果
作業者の細菌検査検便結果のコピー等

同じ作成例の別の例では、清掃作業中に補修工事をした場合、その内容を所見事項欄に書くとしています。

水質の5項目は基準値と並べて書く

告示第119号は、水張り終了後に給水栓と貯水槽内の水を検査し、基準を満たすことを確かめるよう定めています。基準を満たさない場合は原因を調べて必要な措置を講じます。報告書には測った値と基準を並べると、読み手が判定を確かめやすくなります。

水張り後の検査の基準(告示第119号)
項目基準
残留塩素遊離残留塩素は百万分の0.2以上、結合残留塩素は百万分の1.5以上
色度5度以下
濁度2度以下
臭気異常でないこと
味異常でないこと

書いてから渡すまで

  1. 現場で記録する

    工程の時刻、点検の良否、消毒の条件、水質の値、前後の写真を残す。

  2. 監督者が確かめる

    基準を満たさない値があれば、原因と措置を所見に書く。

  3. 依頼者に出す

    作業後、速やかに報告書を依頼者に出す。

  4. 控えを保存する

    控えを作って自社でも保存する。

報告書が後で使われる場面

作業報告書は、渡したあとも建物の側で記録として使われます。どこで見られるかを知っておくと、書く内容の抜けを防げます。

報告書が使われる場面
場面使われ方根拠
簡易専用水道の法定検査書類検査で、水槽の掃除の記録の整理と保存の状況が見られる告示第262号第五・別表第三
特定建築物の帳簿書類貯水槽の清掃計画と清掃後の報告書を備え、5年間保存する建築物衛生法施行規則20条、東京都健康安全研究センターの案内
保健所の立入検査検便実施記録の添付、清掃・消毒の方法、簡易水質検査が適切かを見る東京都健康安全研究センターの立入の視点

部数と保存の年数

横浜市の登録基準は、作業報告書を2部作り、1部を建築物の所有者に渡し、1部を5年間保存するよう定めています。保存の年数は自治体の基準で確かめてください。

東京都健康安全研究センターが立入検査で見る点として、貯水槽清掃報告書に清掃従事者全員の検便実施記録が添付されているかが挙げられています。検便の記録は個人の情報なので、扱いの決まりを社内で決めておきます。

よくある質問

報告書はいつ出せばよいか。

東京都の作成例は、清掃作業の終了後に報告書を作成し、速やかに依頼者に提出する例を示しています。

検便の結果は報告書に付けるのか。

東京都の作成例は、報告書の内容に作業者の細菌検査結果(検便結果)のコピー等を挙げています。東京都の立入検査では、清掃従事者全員の検便実施記録が添付されているかが確かめられます。

自社の様式で作ってよいか。

東京都の作成例は、同様の内容を含んでいれば既存の営業所のマニュアル等でもよいとしています。記載事項がそろっているかを確かめてください。

すいそう台帳でできること

すいそう台帳では、現場のスマホで入れた写真と数値から作業報告書(PDF)を作り、監督者が確定してから相手に送ります。水張り後の値は基準と並べて判定し、確定した報告書は書き換えず、訂正は版を重ねて残します。項目の追加もできます。

出典

最終確認日

個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。