この記事の要点
- 設置者は毎年1回以上、登録検査機関などの検査を受ける
- 検査は施設・給水栓の水質・書類の3区分
- 書類検査では水槽の掃除の記録が見られる
法定検査は清掃とは別の義務
水道法34条の2第2項は、簡易専用水道の設置者に、地方公共団体の機関または国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者の検査を定期に受けることを求めています。施行規則56条は、その検査を「毎年一回以上定期に」行うとしています。
東京都の保健所の回答集は、清掃や水質検査を済ませていても登録検査機関の検査が必要で、清掃業者への依頼で代えることはできないとしています。検査を受けなかった場合は、水道法54条8号の罰則(100万円以下の罰金)の対象になり得るとも示しています。
検査の3つの区分
検査の方法は告示第262号で定められています。検査は設置者の依頼に基づいて行い、項目は原則として次の3つです。
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 施設とその管理の状態 | 水槽の水を抜かずに、汚水などが入るおそれ、水槽と周辺の清潔、槽内の沈積物・浮遊物を見る |
| 給水栓の水質 | 臭気・味・色・色度・濁度・残留塩素を検査する |
| 書類の整理等 | 設備の配置と系統の図面、受水槽の周囲の平面図、水槽の掃除の記録、その他の管理の記録 |
施設の検査で見られるところ
別表第一は、水槽の周囲、水槽本体、水槽上部、水槽内部、マンホール、オーバーフロー管、通気管、水抜管、給水管等の9つを検査事項にしています。
たとえば、マンホール面が槽上面から衛生上有効に立ち上がっていること、オーバーフロー管と通気管の防虫網が確認でき正常であることが判定基準です。水槽内部は、沈積物がおおむね年間3センチメートルを超えない程度であることが備考に書かれています。
給水栓の水質の判定基準
- 臭気・味・色:異常が認められないこと
- 色度:5度以下
- 濁度:2度以下
- 残留塩素:検出されること
採水の前に、給水管内に停滞していた水が新しい水に入れ替わるまで流します。残留塩素が検出されないときは、原因の究明に努めることとされています。
検査の後
検査済みの書類を受け取る
検査機関の名称、施設の名称、水槽の数・有効容量・材質、検査の結果などが書かれる。
不適合の事項を直す
判定基準に合わない事項があれば、検査機関から速やかに対策を講じるよう助言を受ける。
特に問題があれば直ちに報告
汚水の流入、水槽内の動物の死骸、水質の異常などは、知事(市・特別区は市長・区長)へ報告するよう助言される。
東京都の保健所の回答集では、受検報告書(はがき)は検査時に検査機関から渡され、設置者が郵送するか検査機関に提出を委託するとしています。
東京都が指導している日常の管理
東京都の保健所の回答集は、法の管理基準のほかに、水槽周囲・マンホール・水槽内部などの点検を毎月1回、水の色・濁り・臭い・味の確認を毎日、残留塩素の測定を週1回、水道法の水質基準の9項目の検査を年1回行うよう指導していると示しています。
建築物衛生法がかかる場合
告示第262号第六は、建築物衛生法の適用がある簡易専用水道の検査を書類検査とすることができるとしています。東京都の回答集は、特定建築物では「飲料水貯水槽等維持管理状況報告書」を保健所に出すことで検査に代えられるとしています。
清掃業者が準備しておくこと
書類検査では水槽の掃除の記録の整理と保存の状況が見られます。作業報告書を設置者がすぐ出せる形で渡し、控えを自社でも残しておくと、検査や問い合わせに答えやすくなります。
よくある質問
検査機関はどう探すか。
東京都の保健所の回答集は、検査機関を環境省のホームページで確かめられるとしています。
検査の項目は検査機関によって違うか。
東京都の保健所の回答集は、検査方法が告示で定められているため、検査機関による違いはないとしています。
検査で水を抜く必要はあるか。
告示第262号第三は、施設とその管理の状態の検査を、水槽の水を抜かずに行うとしています。
すいそう台帳でできること
すいそう台帳では、清掃の作業報告書と検査結果を建物ごとに同じ台帳で扱い、作業日から保存期間(既定5年)のあいだ自動では消しません。去年の記録を求められたときに、建物から報告書と検査結果を探せます。
出典
- e-Gov法令検索「水道法」第34条の2
- e-Gov法令検索「水道法施行規則」第56条
- 環境省掲載「簡易専用水道の管理に係る検査の方法その他必要な事項」(平成15年厚生労働省告示第262号)
- 東京都多摩立川保健所「簡易専用水道」
- 東京都多摩立川保健所「簡易専用水道法定検査よくある質問と回答集」
最終確認日
個別の判断は税理士・所轄の役所にご確認ください。